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Figmaでチーム共有用のデザインライブラリを作る方法

個人制作では、画面ごとに色やボタンを決めても大きな問題にはなりません。しかし、複数人でWebサイトやiPhoneアプリを開発すると、同じ青色のつもりで少し違う色を使ったり、似たカードを何種類も作ったりする場面が増えていきます。

そこで役立つのが、Figmaのコンポーネントとスタイルをまとめたデザインライブラリです。見た目をそろえるだけでなく、デザイナーとエンジニアが共通の言葉で画面を確認できるため、修正やレビューも進めやすくなります。

福岡から東京でWebデザインの仕事をする中で、私は制作物の品質を保つには、きれいな画面を作る技術と同じくらい、ルールを共有する仕組みが大切だと感じています。ハッカソンや勉強会のように短期間で進める制作でも、最初に土台を作ると迷いが減ります。

この記事では、チームで使いやすいFigmaライブラリの設計、命名、運用方法をまとめます。小規模なWebサイトからスマートフォンアプリまで、あとから育てられるデザインシステムを作るための考え方を紹介します。

目的と利用範囲を決める

最初に決めるのは、ライブラリを誰が、どの制作物で使うかです。チーム全体で使うのか、特定のプロジェクトだけで使うのかによって、必要な粒度が変わります。対象を広げすぎると管理が重くなるため、まずは現在進行中の画面に頻出する要素から始めるのが現実的です。

対象には、Webサイト、管理画面、iPhoneアプリなどを具体的に書き出します。たとえばスマートフォン向けでは、タップ領域や画面幅の違いも重要です。制作メンバーが「これはどのルールに従うのか」を判断できるよう、Figmaファイルの冒頭に目的と対象範囲を記載しておきます。

色と文字のスタイルを整える

カラーは、ブランドカラー、背景色、文字色、境界線、成功や警告を表す状態色に分けて登録します。「青」「薄いグレー」のような曖昧な名前ではなく、「色/ブランド/主色」「色/テキスト/通常」のように役割で命名すると、用途を考えながら選べます。

文字スタイルも、見た目の大きさだけでなく役割で分類します。見出し、本文、補足、ボタンなどに分け、フォント、サイズ、行間、字間をそろえます。デザインレビューでは「この文字は何ポイントか」より、「本文スタイルを使っているか」を確認できる状態が理想です。

コンポーネントの粒度を考える

ボタンや入力欄、カード、ナビゲーションなど、複数の画面で繰り返し使う部品をコンポーネント化します。すべてを細かく部品にすると編集しにくくなるため、変更が発生しやすく、見た目の統一が品質に直結するものを優先します。

ボタンなら、サイズ、種類、アイコンの有無、通常・ホバー・無効などの状態をバリアントで管理できます。インスタンス側で必要な項目だけを変更できるようにしておくと、利用者が元コンポーネントを直接編集する事故も防げます。

命名とレイヤー構造をそろえる

命名規則は、ライブラリの検索性を左右します。コンポーネント名は「ボタン/主色/大」「カード/商品/画像あり」のように、種類、用途、状態の順で統一すると探しやすくなります。チーム内で略語を使う場合は、簡単なルールをファイル内に残します。

レイヤー名も「Frame 123」のままにせず、テキスト、画像、アイコン、説明文など役割が伝わる名前に変更します。エンジニアがデザインデータを確認する際、レイヤー名が整理されているだけで実装時の確認回数を減らせます。

共有ライブラリを公開する

スタイルとコンポーネントを作ったら、専用ファイルにまとめ、公開する範囲を設定します。プロジェクトのトップページには、使い方、更新日、管理担当者、変更履歴を記載します。使い方が分からないライブラリは、部品が充実していてもチームに定着しません。

公開前には、別のメンバーに実際の画面を組み立ててもらいます。検索しにくい名前、足りない状態、意図しない上書きなどは、作成者だけでは見落としがちです。小さなテスト画面を用意し、利用者の視点で確認します。

開発とのつながりを作る

デザインライブラリはFigmaの中だけで完結させず、実装側の部品と対応させます。ボタンの名前、色のトークン、余白の単位をコード側でも近い構造にすると、デザイン変更を反映しやすくなります。仕様を説明する資料には、実際の制作例として簡単なTodoアプリのような小さな実装を添えるのも効果的です。

デザイナーとエンジニアが同じ画面を見ながら、対応するコンポーネントや例外処理を確認する場を設けます。デザイン上は一つに見える部品でも、実装では状態やデータ量によって変化します。早い段階で会話しておけば、完成後の大幅な作り直しを防げます。

更新ルールをチームに定着させる

変更を加えるときは、既存画面への影響を確認してから公開します。色や文字サイズの変更は多くの画面に反映されるため、いきなり上書きせず、複製した部品や検証用ページで確認する方法が安全です。更新内容には、変更理由と影響範囲を短く記録します。

レビューの頻度は、毎週のように細かく決めても運用できなければ意味がありません。月1回の棚卸しや、リリース前の確認など、チームの制作サイクルに合うタイミングを選びます。iPadを補助ディスプレイとして使う制作環境なら、iPadの設定方法も整え、デザイン確認を行う場所を広げられます。

ライブラリは一度完成させて終わりではなく、実際の利用状況から育てる共有資産です。使われない部品を整理し、よく使う部品には説明やサンプルを追加します。新しいメンバーが参加したときも、ファイルを渡すだけで基本ルールを理解できる状態を目指します。

まずは色、文字、ボタン、入力欄の4種類から小さく始め、チームの制作画面で使ってみてください。実際に運用しながら命名や構造を見直せば、無理なく自分たちのデザインシステムへ発展させられます。